コロナ禍「アパートローンの融資」に変化はあったのか
新型コロナウイルスの世界的流行は、経済活動に甚大な影響を与えました。不動産投資も同様に、商業施設やオフィスビルでは空室率の上昇や売買契約の見送りなどで苦境に陥っています。一方、住居用不動産に関しては顕著に推移しているというニュースもあり、コロナ不況のなか、アパート経営を始めるべきかどうか、悩んでいる投資家は少なくありません。そこで今回は、アパートローンの融資の動向や、金融機関の融資スタンスについて解説していきます。
コロナ禍にアパート経営を始めるのは危険なのか?
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、会社からの給与だけに頼った資産形成に不安を感じ始めた会社員のAさん(40歳・年収1500万円)。
同僚が副業として行っている「アパート経営」を検討していますが、妻からは「経済状況が悪化しているときに、投資を始めるなんて……」「融資条件が厳しくなっているはずだから、そう簡単に始められるワケがないじゃない」と反対されています。
しかし、同僚からは「賃貸物件の需要はまったく減っていない、むしろコロナ禍のいまこそがチャンスだ!」といわれており、妻と同僚、どちらの意見が正しいのか分からなくなったAさんは、すっかり頭を抱えてしまいました。
コロナ禍における金融機関の現状
「コロナ倒産(新型コロナウイルス感染症関連倒産)」の件数増加からも読み取れるように、現在、多くの事業者・個人事業主が経営難に陥っています。それに伴い、金融機関の窓口には融資の相談が急増しています。
では、賃貸不動産購入への融資に対しては、どのような変化があったのでしょうか。
日本銀行が発表したデータによると、個人による貸家業への銀行の融資件数は、2020年、過去5年間で最大となっています(「個人による貸家業/貸出件数/銀行勘定/国内銀行」データを抽出し、編集部にてグラフを作成)。
コロナ禍、リモートワークを導入する企業が増加したことで、オフィスビルや商業施設は打撃があったものの、住宅需要は大きく変わらないため、アパートやレジデンスに注目する投資家が増えていることが、融資件数の増加に繋がっていると考えられます。
「融資条件」に変化はあったのか?
結論からいうと、「コロナ不況」を理由とした融資条件の変化はありませんでした。
しかし、Aさんの奥さんのように、「コロナ禍、金融機関の審査条件は厳しくなっている」と考える人は少なくありません。
投資家は銀行の融資条件ばかりに目を向けてしまいがちですが、不動産投資においては、「収益を安定して得られる物件を購入できるかどうか」が最重要課題です。
コロナ禍にかかわらず、近年はロケーションに不利な物件や、入居者需要とマッチしていない物件などは金融機関からの融資が通らないケースが増えています。アパート経営を成功させるためには、空室期間を作らないことが重要なため、購入を検討する物件の立地(ロケーション)の良さや設備、運用計画や最終的な出口まで、綿密に計画を練るべきです。
世界的に経済が大打撃を受けているなか、「アパートローンを組む」ということは、なかなか勇気がいる行動かもしれません。アパート経営を検討する際、収入や物件など、不安に感じることがあれば、金融機関に相談してみましょう。
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