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アパート経営者の試練…入居者からの「家賃下げて」への対処法

アパート経営者が避けてはとおれない出来事として、入居者からの「家賃値下げ交渉」があります。家賃は収入に直結するためできれば下げたくないと考える一方で、むやみに断って空室になると余計に辛い……それでは入居者から家賃の値下げ交渉を持ちかけられた場合、アパート経営者はどのように対処すべきなのでしょうか。みていきます。

値下げ交渉に応じる前に…確認したい3つのポイント

入居前…エリアの家賃相場をチェックし魅力をアピール

入居希望者から値下げ交渉された場合には、その物件エリアの家賃相場をしっかりと説明したうえで、他の物件にはない魅力をアピールし、現在の家賃で納得してもらう方法がベストです。

納得してもらえない場合は、「値下げしたら必ず契約してもらえるか」を確認しておきます。また、確認後合意がとれた場合も、なるべく値下げ幅は小さくして損失を抑えましょう。

なお、不動産会社に物件の問い合わせ状況等を確認し、無理に値下げをしなくても他に借り手が見つかりそうな場合は入居を断るという選択肢もあります。

入居中…賃貸借契約書の「特約」に注意

入居中の住人から交渉された場合は、賃貸借契約書の特約の有無を確認する必要があります。もし、「家賃減額不可」という特約付きで定期建物賃貸借契約 している場合は、契約内容を丁寧に伝えることで、入居の継続に繋がる場合があります。

一方で、特約がない場合は、借主の権利として値下げ交渉が認められているため、状況によって値下げせざるを得ないケースもあります。ただし、先述のようにいわれるがまま値下げするのではなく、エリアの相場や物件自体の魅力をアピールしたうえで、なるべく値下げ幅を小さくしましょう。

更新時…「入居年数」を確認!場合によっては値下げに応じるべき

更新料の支払いが発生する更新時は、値下げ交渉をされやすいタイミングです。

この場合、必ず入居年数を確認してください。入居年数に応じて値下げ交渉の対応方法が異なります。

長期間入居している人が値下げ交渉してきた場合は、その物件自体には満足しており家賃だけに不満を持っている可能性があります。この場合は、値下げ交渉に応じた方がさらに長く住み続けてもらえる可能性が高いと考えられます。

「値下げに応じる」ことのメリット

メリット1.長く住んでもらいやすい

値下げ交渉をする理由はさまざまですが、「物件自体には満足しており、家賃を低くしてもらえるのであれば住み続けたい」と思っている人は多いです。そのため、交渉に応じることで退去を引き留めることができます。

メリット2.退去に伴う損失を先送りできる

値下げ交渉に応じなかったことで住人が退去してしまうと、空室となり家賃収入がゼロになってしまいます。さらに、住人の利用方法ではなく経年劣化に起因する破損などは大家が修繕費を負担しなければなりません。値下げ交渉に応じて住み続けてもらえれば、これらの損失を先送りできます。

家賃減額により減ってしまう今後の家賃収入額と、退去によって生じる損失額を比べて、損失額が今後の家賃収入額より高ければ、更新交渉に応じたほうがメリットがあると言えるでしょう。

メリット3.不要な入居募集費用をかけずに済む

値下げ交渉に応じずに退去され、空室が出た場合は、新たな入居者を探すべく募集費用等が発生します。費用は依頼する不動産会社によって異なりますが、仲介手数料として「家賃1ヵ月分」を支払うことがほとんどです。

しかし、値下げ交渉に応じて退去を防ぐことができれば、入居者募集にかかるコストを抑えることができます。

「値下げに応じる」ことのデメリット

デメリット1.収入が減る

値下げ交渉に応じると、当然値下げした分の家賃収入が減ります。1室ならまだしも、複数の物件で値下げが発生すると、最悪の場合赤字となってしまい賃貸経営に支障をきたす可能性がでてきます。

デメリット2.家賃設定を元に戻せない

賃貸借契約に関する法律は借主に有利な内容が多いため、家賃設定を元に戻すことが難しいとされています。

たとえば、借主は家賃の値下げ交渉を無条件で行えますが、貸主は正当な理由が無い限り家賃設定を値上げすることはできません。そのため、一度家賃を下げてしまうと、 元の家賃設定に戻しにくくなります。

デメリット3.他の入居者の不満につながる

1人の値下げ交渉に応じた場合、他の入居者の不満につながる恐れがあります。

全部屋の家賃を公開しているわけではないため、値下げ交渉に応じたからといってその旨を公表する必要はありません。しかし、住人同士でコミュニケーションをとっている場合、「家賃を値下げしてもらった」という話が出ると、「自分も家賃を下げたい」「なぜ自分の値下げ交渉には応じてくれないのか」という不満が溜まりやすくなります。

値下げ交渉に「応じるべき人」と「断るべき人」

ここまでご紹介したように、値下げ交渉に応じることでさまざまなメリットとデメリットがあります。では、どのような状況であれば値下げ交渉に応じてもいいのでしょうか。

入居期間が「5年以上」の場合は 検討 する事も考える

入居期間が長い人は、物件自体に満足してくれており、値下げ交渉に応じればより長く住み続けてくれる可能性があります。入居期間が5年以上の住人からの値下げ交渉は 検討する方法も考えられます。

値下げ交渉の理由が「あいまい」な人は慎重に交渉する

値下げ交渉の理由が特にない人は、更新の度に値下げ交渉してくる可能性が高く、交渉は慎重に行うべきでしょう。

一方で、なんらかの理由で収入が減少して支払いが困難になっているなど明確な理由を示している人は、交渉に応じれば長く住み続けてくれる可能性があります。家賃が安い物件に引っ越さずにわざわざ交渉してくるということは、「物件自体は気に入ってくれている」と考えることができます。

「トラブルメーカー」は言語道断

家賃を滞納したことがある人、隣とトラブルを起こす人も交渉に応じる必要はないでしょう。そもそもこのような人がいた場合、物件全体の退去率が上昇しやすくなることから、むしろ「住み続けてもらう」ことにメリットがありません。

値下げ交渉を「すぐに断る」のはNG

値下げ交渉をされた場合、「家賃収入が減るから」とすぐ断ることは避けましょう。先述のメリットとデメリットを鑑み、冷静に検討する姿勢が大切です。

周辺の家賃相場を把握し、もし相場より高い場合は物件の差別点を明確に示して家賃設定の正当性を理解してもらいましょう。

また、物件の劣化状況を調べて 修繕費用がどの程度かかるのかを把握しておくことも必要です。

今回は家賃の値下げを交渉されたケースについてご紹介してきましたが、そもそも値下げ交渉されないためにはどのような対策が有効かというと、「物件の環境づくり」です。

住民が設備に不満を感じていると感じたら、人気の物件を参考に現状の改善に努め、貸し手と借り手、双方にとってよい住環境を保てるようにしましょう。

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